まみ めも

つむじまがりといわれます

Neverland Diner-二度と行けないあの店で

なんの予定もない連休で、ピザでも焼こうかと生地を捏ねてねかしていたら、あれよあれよと人が集まることになり、ピザでは足りずすしやから揚げやアルコールの差し入れが次々に集まってなんとかなった。そのまま三人が泊まり、次の日も四人が泊まるというの…

映画の木洩れ日

日曜にげんちゃんの体がどんどんあつくなり、そのまま水曜まで高熱が続いた。なにがたべたい?ときくと、きつねうどん、あぶらげはいれないで、と一休さんのとんちのようなことを言ってくる。イナダシュンスケの概念の豚汁にならえばあぶらげを似た汁をうど…

ジョージ君、85歳。老いてなお、ケシカランことばかり

十月になったというのにツクツクボウシが鳴いていた。ひとりぼっちで誰にも会えないでいるのかも。飲み会のときに、みんなといてにぎやかなときが一番さみしくなる、と話していた女の子を思い出す。そのタイプかもしれない。みんなの中にいるさみしさと、誰…

ナミヤ雑貨店の奇蹟

夏のつかれがでたのか、順繰りに家人の胃腸の具合がよろしくなくなり、休みがちな九月の終わりだった。もともと予定していたおやすみがあって、ようやく看病のないひとり時間。文庫本をかばんにいれてコーヒー屋にでかける途中、自転車をこいでいたら、歩道…

赤い長靴

半年に一度の通院と人間ドックの検査結果をがほとんど同時にきて、いつのまにか貧血がすすんでいるのがわかった。人間ドックの検査結果には貧血に加えて肝酵素が基準値よりちょっとだけ低く、尿に細菌とタンパク質が陽性で、とりあえず再検査にいってこいと…

変な家

連休らしいことをしようと、朝の予定のない一日、家族でロイホにいってモーニングをした。目玉焼きがふたつのったプレートを頼む。なんとなくおなかがいっぱいのままみるみる胃の調子が冴えなくなり、夜はみんなが餃子を焼いてたべるのを後目にくったりとソ…

芥川賞を取らなかった名作たち

保育園のお迎えでとびついてきたげんちゃんが実は熱を出していて、きょうは休み。本当にただ熱があるだけで、38.9度あるというのに帰り道で車とかけっこしていた。ふとんに入るころにはからだの熱はおさまり、朝はすこし寝坊して起きてきて、クロワッサンと…

できない相談

せいちゃんの学校があって弁当がいるというので、いつもより少しだけはやく起きる土曜日。ふたりで台所にならんで弁当のおかずを作る。せいちゃんが卵ふたつのたまご焼きをつくっている横で人参を型抜きし、赤ウインナーを蛸さんにし、ちくわの磯辺焼きの下…

犬を盗む

こどもたちの夏休みがおわり、きょうが弁当最終日。ふみちゃんからはオムライスのリクエストがあり、新学期でしょんぼり気味のふみちゃんのために、すみっコぐらしのかまぼこを買い、たことかににしたウインナーを入れる。 ずっと休んでいた人も無事に仕事が…

家族喰い

いなかから帰る一日前にげんちゃんが熱を出し、手足とおしりに発疹もあり、熱が出ていないタイミングでなんとか家に戻ってきたけれど、そのまま熱が続いてぐずり倒すので休みをとりずるずると十連休になってしまった。ふみちゃんものどの痛みで、いやな咳を…

夏と花火と私の死体

いなかに戻り、墓参りジョイフルプールビールプール海すいか居酒屋ビール餃子ビールガリガリ君。プールサイドに流れるFMで懐かしいメロディ(徳永英明の「夢を信じて」と判明)を聞きながら東海林さだおをぺらぺらと読む。プールは湧き水で、ぎらぎらの陽射…

川端康成の話をしようじゃないか

夏休み初日。かたやずっと休みの人が、転職の相談にいってくるといってでかけていった。帰ってきてから話を聞くと、相談した相手は旅行会社をやめて芸人を志し、そのあとで庭師をやっているとかなんとかで、経歴がむちゃくちゃすぎて果たして相談相手として…

パセリカレーの立ち話

先週末は元同僚が11人、こどもが2人遊びにきてわいわいやった。人の多さにエアコンの効きが限界になり汗をかきながらビールを飲んだ。ひと家族四人が泊まっていき、次の朝はロイホのモーニングをキメた。二日酔いでドリンクバーだけ。ドリンクバーにサラダと…

MISSING

友だち家族の母子12人(うち5人がわが家)と一泊二日でプールざんまいをしてきた。陽射しがたまらなくじりじりとし、水はあまりに冷たく、ちょうどよいところがないと思う母をしり目に、こどもたちはみんなプールではしゃいでいて、若さを見せつけられた。ウ…

キッチンが呼んでる!

思い切ってふたつ休みをとって四連休。あれやこれやが気になるけれども、めちゃくちゃ仕事のできる先輩が良きにはからっておきますとフォローを約束してくれたので気兼ねなく。入社して半年が過ぎたけれども、先輩のすごさに圧倒され続けていて、影武者が何…

6時間後に君は死ぬ

夏が一気にやってきて、サニーデイサービスだけを繰り返しきいている。庭のさるすべりが伐られてしまったことがあとからじわじわと効いてくる。よその庭のさるすべりを見かけるたび、うちの庭に咲いていた花の鮮やかさとはちがうなあと思い出してしまう。な…

ネット右翼になった父

たなばたがお誕生日のふみちゃん、例年どおりごはんはオムライスのリクエスト。週末にケーキを準備してお祝いをした。ことしはパイナップルでケーキを作ってほしいというので、ここぞと缶詰の輪になったパイナップルをふたつ並べて8の字をつくる。たなばたの…

世界から猫が消えたなら

日曜日の午後、自転車をこいでいるときに、ふみちゃんが、お母ちゃんせみがないているねと教えてくれて、蝉の鳴き声に気がついた。聞こえていたはずなのにちっとも気がつかなかった。前日のまとわりつくような湿気が抜けて、ページをめくるように一気に夏だ…

斜陽

げんちゃんの一人称がげんちゃんからおれになったなと思っていたらこないだついにおれさまが出たので笑ってしまった。せいちゃんが小さいときにおいらと言っていたのを思い出す。せいちゃんはゆくゆくはわしを使いたいと言っていた気がする。げんちゃんはむ…

居場所がないのがつらいです

県境をふたつこえて海や浜行きの電車に乗る三日間が終わった。海や浜という字の誘惑に踏み外してしまいそうになるのを踏みとどまったぶん、最終日の帰りに服を買って散財しそのまま夜の町へ繰り出した。三日目の朝は体育祭のせいちゃんの弁当がいるので億劫…

青豆とうふ

週明けから日帰りで三日間桜木町に通っている。ここのところ出勤は週に二回、始発二本目のちょっぱや出をしていたので、のぼりの満員電車にぎゅうぎゅうに詰められて、電車を降りるときには塩もみされてしぼられたきゅうりみたいにくたくたになった。 週末の…

おかしな話

ことし一番はやい朝だった。長雨の入り口で遊歩道の枇杷とあじさいの花が鮮やか。あじさい、花が大きくなると重たいのか地面に近くなる。 あじさいがまえにのめって集団で土下座をしとるようにも見える/吉岡太朗 実家では庭にほたるが光っているらしい。一…

殺戮にいたる病

週末のおつかいのとき、あじさいがたくさん植わっている遊歩道を通る。図書館に寄り、スーパーに寄り、した帰りに自転車のうしろで寝てしまったげんちゃんがそのまま三時間も眠ったので暑さにばてたのかなと思っていたら週明けから熱を出して木曜日までお休…

村上T

げんちゃんが4歳になった。おたんじょうびというものがわかっているようでわかっていない。お誕生日の朝、げんちゃんいくつになったの?と聞きながら起こすと、かったるそうに手の指を親指だけまげて4の形にして返事をした。起きたあとは「おれわやるぞ、お…

ここは、おしまいの地

週末にかけて古本いちをやっていることを知り、金曜日の朝、起きてみたら、天気はいいし、仕事はたんまりあるけれど急ぎのものはなく、たまたま予定もあいている、そういえばスタバのギフトの期限が残り少しだった。それで、休みをとって出かけることにした…

無人島のふたり

すこし遠出して帰りが遅くなった。朝からつめたい雨に降られてくたびれて、朝用意したアイスコーヒーは飲む気にならんまま鞄の中にある。行きの電車では太宰治を読んだけど、やたら癇にさわって、もう本もひらきたくないし、電車の席に座って音楽をイヤフォ…

おいしい子育て

窓をあけはなって寝て、明け方の空気が涼しいくらいのいまの季節がいちばん好きかもしれない。 会社に出る日は、始発のつぎの電車をつかうのだけれど、五時前に家を出るときにはもう明るくなっている。黎明橋の上で朝のランナーとすれ違う。セブンイレブンの…

家族って

おあつらえむきに雨で明けた連休だったけれど、明けてみればそんなようなもんでなんとかなった、と思っているのは自分だけかもしれないけど。なにを思ったのか仕事をやめることだけ決めてきたやつが家の中にいて、一体どうなるのだろう。 家族って 作者:しま…

短歌ください

連休にせいちゃんがティーンエイジャーになった。誕生日の翌日に中学生男子が三人泊まりにくることになっており、みずからはりきってもも肉を1キロ使ったチキンカレーを仕込んでいた。こどもたち、バーガーキングでお昼をし公園で遊んだあと銭湯にいき、カ…

過去と未来とわたしたち

数字を少しかぞえられるようになったげんちゃんが、五味太郎の「すうじの絵本」の裏表紙の見返しに1から100までならんだ数をかぞえてきかせてくれる。しちとはちが混ざるのはご愛嬌で、ひゃくは難しいよなとわくわくしていたら、元気よく「ぜろじゅう!!」…