まみ めも

つむじまがりといわれます

ジジイの台所

採用のときにオンラインで適性試験を受けたのだけれど、いろいろな向き不向きとかが傾向として抽出されるところ、この人はとくになんも問題ないっす、という結果だったようで、そんな人ははじめてだったらしい。おそらく採用には直接関係しないような絶妙な…

旅の絵日記

ふくちゃんがてんさいから11歳になった。ふくちゃんが産まれたころに書いたブログを読み返す。お誕生日なのでリクエストのバターコーンたくさんのみそラーメンを用意したというのに、気に入らないことがあったのかいらいらし、ずいぶんあとから背中をむけた…

町中華の丸かじり

せいちゃんが中学生になった。おろしたての制服をだぼっと着て入学式を迎える。 制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている/俵万智 年末の入学説明会で渡された提出書類はことごとくなくしてしまった。きっといまごろリサイクルされている。あ…

荒野の胃袋

先週はげんちゃんが胃腸炎になり旅行が流れた。一週間後の週末に今度は自分が胃腸炎になり、丑三つ刻にトイレにこもって出られなくなった。冷や汗で体が冷えて、布団にもぐりこみ、毛布にくるまり、体をがたがたいわしながらふくちゃんの足とげんちゃんの手…

老人ホームで死ぬほどモテたい

WBCの決勝とせいちゃんの卒業式が見事にかぶってしまった。式の最中に何度か速報を確認していたけれど、式のあとの待ちの時間にゲームセットを見届けることができた。こどもたちも待ち時間に教室でテレビをつけていたらしく、窓をがらりとあけて、勝ったぞ〜…

誘蛾灯

先週末に恩師の最終講義があり、仕事を早上がりして大学にいってきた。再現性の危機といわれた暗黒時代の教え子で申し訳ないながらも花束贈呈のお役目をまっとうした。久しぶりに歩く本郷通りは「もうつぶれてなかった」がたくさん。教授室で懐かしい面々と…

クララとお日さま

おととい、実家の犬が死んだ。暮れのころから、ちょっと様子がおかしいとお母さんが言っていて、散歩にいくとどこまでも歩いてみたり、そのくせ次の日はぐったりと一歩も動かなかったりしていた。寿命だったのだろう。てんかん持ちで発作が出たので薬をすこ…

家族

夕暮れどきに沈丁花のにおいが遊歩道に漂っている。しつこいような甘えたにおいのくせに、すこし離れるとすっといなくなる。思わせぶりなやつめ。蝋梅のにおいはまだ春待ちの気配だけれど、沈丁花のにおいはもう春の入口に立っている気がする。木蓮が咲くと…

世界金玉考

金曜日は花粉症と月のものが重なりみるみる具合が悪くなり、会社のトイレで戻し、帰りの電車は座席にもたれるようにして帰った。座れてよかった。目の前の座席が空いたとき、平静を装いながら気持ちは流星課長だった。電車をおりて外の空気を吸い込んだらだ…

せかいはことば

春がきて空気がゆるむより先に花粉症がやってくる。絶妙に調子が悪く、そこはかとないというのか、胃がすっきりせず、うすら寒い感じがして身の置き所が常にずれているような居心地の悪さがある。薬を飲むとオブラートがとけるような感じで少しだけましにな…

東京四次元紀行

日曜日、やっとふみちゃんの七五三ができた。といっても七五三に縁がなくなにをするかよくわからないのでスタジオで写真を撮るだけ。ついでに兄弟もこじゃれた洋服を着せてもらい、ひとりずつ、きょうだい四人、家族六人で、それぞれカメラにおさまった。数…

父のビスコ

月曜日の昼前に呼び出しの電話がかかり、どたばたと荷物をまとめて電車を乗り換え昼寝しているげんちゃんをお迎えして帰宅。高熱でくったりしていて、帰ってからふとんに寝かせるとそのうち眠った。となりでふとんに下半身をうずめてひっそりと仕事をする。…

ラブレター

先週の金曜日、遊歩道の白梅がやっと咲いた。何年か前に容赦なく剪定されて丸裸になってから開花がずいぶん遅くなった。とことん待たせて、冬の一番寒いときに春の訪れを予感させてくれる。木蓮のつぼみもふくらんでいる。ここしばらくの冷え込みで、せいち…

神の子どもたちはみな踊る

家で仕事をはじめようとしたら庭師がトラックで乗りつけて、庭の木をとことん伐っていった。隣の敷地からのびていたさるすべりがばっさりやられて切り株になってしまった。うだるような夏の盛りにいつのまにか咲いて鮮やかな紅色が永遠のように長く続くこの…

なくしてしまった魔法の時間

冬休みの帰省から戻ったら、学校の裏門のところ、日当たりのよい梅の木がすっかり咲いていた。遊歩道の梅の木は、何年か前に容赦なく刈り込まれてしまってから咲き始めが遅くなりまだ蕾のままでいる。最強寒波がきても、春が約束されていることはたしか。 な…

メロンが食べたい

今年の誕生日も駅前の八百屋が誰よりも早く祝ってくれた。まったく誕生日を意識していないタイミングなので、レジからハッピーバースデーが流れるとどきりとする。思わずうろたえて、誕生日のボーナスポイントをつけてもらったショップカードをなくしてしま…

すきまのおともだちたち

今週もなんとか終わり。いっしょに仕事をすることになる先輩の働きマンぶりがものすごくおののき続ける一週間だった。やれることをやるしかない。 すきまのおともだちたち 作者:江國 香織 白泉社 Amazon ト。 みどりの窓口に用があって浦和駅にいったときに…

この女

出社初日はスーツにストッキングにパンプスの三重苦でなんとかやりおおせた。まっとうな格好のしんどさったらない。仕事についていける気がまったくしないでいる。三連休があってよかったけれど休み明けに英語でオンラインミーティングがあり、みるみるしぼ…

木になった亜沙

きのう早起きして満席のかがやき504号で帰宅。うとうとして目を覚ますと車窓が海だったり山だったり雨だったり雪景色になっていたり最後はからりと晴れた関東の平野がひろがりめまぐるしかった。久しぶりでするめいかの出汁の丸餅のお雑煮をたべてお正月気分…

ジジイの片づけ

こどもたちが冬休みになったので、かがやき515号で実家に戻ってきた。かがやきが言えないげんちゃんはかやがきと言っている。新幹線の中でおにぎりと崎陽軒のシウマイとビールとみかん。家についたときには夜遅く、卵を落としたサッポロ一番の塩らーめんをふ…

はじめての文学 小川洋子

先週、久しぶりに大宮にいく。定期券はきれてしまった。高島屋のうえの紀伊國屋書店にいき、予約の本といくつかの本をみつくろい、せいちゃんのクリスマスプレゼント、自分へのおくりものとあわせてブックサンタ。ふみちゃんからブックサンタでだんまりうさ…

100歳まで生きてどうするんですか?

浦和宿古本いちへ。平日にのんびり見られることはなかなかないので、全部の棚を順繰りに眺めていく。天気は良いけれどビルの谷間なので冷える。 この女 森絵都 神の子どもたちはみな踊る 村上春樹 わたしは甘えているのでしょうか?27歳・OL 村上龍 さくらえ…

うちの犬がおじいちゃんになっちゃった

休みに入ったときには家の前のさくらの葉が数えるほどに枝に残っていたけれど、もう一枚もない。枝の先にはいつのまにか蕾が準備されている。冬至はまだだけれど、日の入りは毎日何秒かずつのびている。関東の明るい冬は年の瀬の感じのないままで布団をほし…

とんこつQ&A

ひとまずひとつめのサラリーマン生活が終わった。花束や寄せ書きをもらうときにいたたまれなくてそわそわにやにやしてしまう。とことん主役にむいていないと思う。夜は部署のひとと四人で生ビール大で乾杯。がやがやしたお店でへべれけになり、次の日は使い…

犬と歩けば

遊歩道に季節はずれの木瓜が咲いてると思ったらひと足飛ばしで冬がきて朝の通勤電車を待つホームで指先がかじかむ。一昨日ときのうがこの冬一番夕暮れの早い日。仕事終わりに外に出たら真っ暗で、関東の冬の、朝は寒いけれど夕暮れは寒くないことにいつまで…

ナパーム弾の少女

お誕生日があった先週末はバナナとチョコレートクリームのいつものビスケットケーキを作った。チョコレートをとかしてデコレーションをしたけれど何度やっても不器用でよれよれの文字で名前と年齢と西暦をしたためたところ、写真を見た同僚の感想が「怖い」…

再婚生活

お父さんの命日には町に繰り出して酒を飲んだ。亡くなったあとの一年は季節のめぐりがしんどくて、お父さんのいない春夏秋冬を噛みしめていたけれど、喪失感がだんだん自分の一部になっている。クマノミズキのはちみつの柿柚子はまだちょっと作れないでいる…

大好きな町に用がある

この二週間で五回も弁当の日があり、金曜日月曜日土曜日月曜日とどめの木曜日は前夜に帰宅してから明日は弁当と知って絶望していたら近所の友だちが冷凍食品の海老ドリアをわけてくれた。ケチャップライスに卵ひとつ分の薄焼きたまごのオムライス、ウインナ…

まともな家の子供はいない

ふくちゃんの社会科見学、ふみちゃんの遠足とお弁当が続く。イベント弁当のときはリクエストを紙に書いてもらう。 ふくちゃん チャーハン てりやき コーン トマト ブロッコリー 人じん ゼリー たまごやき ふみちゃん ウインナー ブロコリ(まよねず) にんじ…

中年危機

金木犀が二度目のにおわせをしていた週末に運動会があった。密予防で午前と午後の二部制で、各家庭からひとりしか入れないので、校庭のフェンスの外には中を覗く人だかりができていて、本末転倒になっている。こどもたちには真っ赤なソックスを膝下まであげ…