まみ めも

つむじまがりといわれます

こころ

こころ (ワイド版岩波文庫 (204))
3.11以来テレビをつけ放しにして、地震津波原発のニュースに途方に暮れる。だれかれの安否が気になるけれども、メールや電話をためらってしまうのは、わたしにはあらゆることを受け止める自信がないのだと思う。実際に家族や友人の消息が知れない人は、いったいどんな気持ちだろう。自然はなんの躊躇もなくたくさんの命と生活をえぐり取っていってしまった。人間はなんてあっけないんだろうということを、痛感する。あっけないからこそ、前向きに、一生懸命にやっていかなければ嘘だという気持ちにさせられる。それで、テレビを思い切って消して庭に出る。白山はくっきりとうつくしい姿を折々に晒すようになり、北陸にも春の兆し。新・ちくま文学の森の「奇想天外」を読んで、ほんのすこし、心に風が通る。がんばっている人がたくさんいる。その人たちにがんばれと言うのではなく、わたしにできることをがんばろうと思う。とりあえず募金。もどかしい思いをもてあましていても始まらない。いじけずに生きていこうと思う。
岩波文庫のワイド版「こころ」ブックオフ¥105、軽井沢の旅に携行したのを、こっちで読み終えた。じりじりと焦らされて、最後は一気に読み終える。先生は、真面目で、弱く、ずるい。誰にだってあるようなそんなほころびが、取り返しようのない結末につながってしまう。えぐい内容でありながらどこかしら爽やかなのは、だれにも悪意というものがないからかもしれない。だからこそ残酷だとも思う。