月曜日、ミーティングをやっている会議室で、扉があいて、紙片がさしだされ、それがまわってきて、フクちゃんが熱をだした報せだった。あと三十分で仕事がおわる時間だったので、そのまま仕事が終わるのを待って、迎えにいった。いつもとおなじ時間のおなじ電車に乗り換えるのに、なぜだかホームが違っていて、いつものホームの電車に腰かけていたら、反対のホームの電車が先発し、こんなときに限って一本のがし、気が急いた。雨がしとしとしていたので、保育園でバギーにレインカバーをつけて、セイちゃんには雨合羽と長靴をはかし、家に寄って荷物をおろして保険証をにぎりしめ、小児科にいった。すぐによくなる風邪だから心配いらないといわれ、ちかくの薬局へいく間、雨だから君はここで待ってなさいといわれたセイちゃんは先生と待合室の長椅子のはじっこにチョコンと掛けてテレビを見て待っていた。それで、フクちゃんはずるずると水曜日まで熱があって、夜泣きもしたが、おおかたよくなったらしい。
- 作者: リチャードブローティガン,Richard Brautigan,藤本和子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/07/28
- メディア: 文庫
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こうして、わたしは女と寝た。
まるで永遠の五十九秒目みたいだった。ついに一分になると、なんだか気恥ずかしくなるようなー。
永遠の五十九秒か、どうか、わからないが、わかりそうな気がするとするっと逃げられる、いつまでも一分がこない、鱒も一匹も釣れない、そんな一冊だった。