また歳をくった。誕生日は、休みだったので、みんなで街に出て、デパートを歩いてみたが、欲しいものがなく、こどももすぐに飽きてしまい、バスに乗ってファミレスにいった。こどもたちはお子様ランチだったが、簡単にたいらげてしまいそうだったので、わたしと宿六のごはんを大盛りに変えてもらった。一番ちいさなサイズのビールを注文し、乾杯をした。家に戻りこどもたちが昼寝するあいだに挟まって、せせこましく本を読んでいたが、仰向けで読んでいたら腕がくたびれてきて、こどもたちの身体から伝わる熱が心地よくなりそのうち寝てしまった。昼寝のあとで、焼いてあったケーキにとちおとめをのせて食べた。冬の夕暮れの、斜めに傾いだひざしが、いまの自分の年齢にとてもぴったりする。腰痛もあるし、肌荒れもしみもあるし、下腹部にはしっかりと肉がついていて、みごとな中年のフェノタイプをつくっている。だけど、はたらいて、ごはん作って、こどもを寝かしつけたり、合間に好きな本を盗むように読んで、ちょっとのビールでねむたくなる、そこら中にあるようななんでもないような毎日を重ねていくのは、自分には身に余るしあわせのようにも思う。なにひとつ人並みにやれない気がしていたが、それでも案外人並みらしき人生をいきていることに、ときどきくらくらと目眩がする。
ゴッドファーザー PartIII <デジタル・リマスター版> [DVD]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2008/10/03
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ゴッドファーザーをみた夜中に、フクちゃんが盛大に鼻血をたれたので、シーツと枕がゴッドファーザー仕様になった。