まみ めも

つむじまがりといわれます

Dear KAZU 僕を育てた55通の手紙

Dear KAZU 僕を育てた55通の手紙

Dear KAZU 僕を育てた55通の手紙

むかしは、もてる男なんていけすかないと思っていたが、あるときからカズが好きになった。顔が好みというわけでもないのに、「ラストダンスは終わらない」の表紙では鏡ごしのキメ顔に失神しそうになった。とにかくカズの本を読んでやるぞと思って、図書館で予約。W杯にアンバサダーとしていくことになって、「もしものときのためにスパイクをもっていく」とコメントしていたので、しびれた人が続出したにちがいなく、カズの本は予約待ちを覚悟していたが、先約なしで手元にきた。今度の表紙は、リバー・ランズ・スルー・イットのブラピみたいな爽やかさで、またしてやられた。このトキメキでエアコンのスイッチぐらい入るんでないか。
いろんな人からカズにあてた手紙で、雑誌の企画として第三者の目に触れることを前提にしているらしかった。カズがブラジル時代におかあさんにあてた手紙は手書きのコピーで収録。カズの筆跡はつぶれ気味の丸文字。誤字あり。若さが迸っている。カズの息子ふたりが書いた手紙もあって、カズが夏休みの宿題をみていて、8+6=の計算をまちがえて、ふたりまとめてお母さんに怒られた、というところがよかった。カズは算数のできない才能のある(平野レミの名言)タイプらしい。
カズにあてた手紙のなかでは、ゴラン・ユーリッチのものがよかった。「カズとは何者なのか」「カズという名前が何を意味するのか」ふたりの間にすごく熱いものがあるのが伝わるメッセージだった。こんな手紙を書けるユーリッチはすごいし、こんな手紙を書いてもらえるカズもすごい。
ちなみに、カズは何者なのかの問いにはカズ自身が本の中で答えを書いている。

みんなが何かを託したい存在であるということだと思う。みんなが「この人なら」と思いを託し、一緒に夢を見たくなる。そういう意味では、僕の1点っていうのは、もうただの1点ではないとさえ感じている。大げさかもしれないけど、この1点がみんなを幸せにする、という気持ちで最近はプレーしているんだ。

そのことばに呼応するように、
北澤豪「カズさんのフィールドは、今もなおスタジアムの中にあって、決して色褪せない」
森下源基「カズはひとつ忘れ物をしてるんじゃないかと。忘れ物をそのままにしてピッチを去ってはまずいんじゃないかと」
あねご「これからもずっとずっと骨になるまでボールを蹴り続けてほしいなと思っています」
やっぱりみんながカズに夢を託しているんだなあとおもう。カズダンスがまた見たい。