まみ めも

つむじまがりといわれます

旅するノラ猫

セイちゃんの遠足があって、木曜の夜にから揚げと甘い卵焼きをつくっておく。朝は5時に起きて、水筒にほうじ茶をつめ、おしぼりを作り、のりたまのおにぎりと、から揚げ、たこさんウインナー、卵焼き、ブロッコリー、プチトマトをスーパーこまちの弁当箱につめる。別のタッパーに巨峰とキウイ、足りない気がしておにぎりをラップにくるんでひとつおまけにした。クラフト能力が乏しいので、たこさんウインナーもなにやら脚の長さがまちまちで不気味なさまになってしまった。たことうたうからには脚は8本だろうと思うのだが、8本に切るのは細かい作業で難儀する。家に帰ってきたら、セイちゃん、やおらリュックの荷ほどきをはじめ、袋のなかの弁当箱を取り出してあけて、ほら、からっぽ、と見せてくれた。誰かにからっぽのお弁当を見せたらお母さんがよろこぶよとでもいわれたのかなと思う。入っていたおかずもちゃんと覚えていて、お昼の時間がいちばん楽しかったようだ。セイちゃんも病気をしたし、先週の胃腸炎このかた体力がなく、夕方になると体調がしんどくてどうなることかと思ったけれど、無事におわったのでよかった。

旅するノラ猫

旅するノラ猫

初夏にブックオフで108円で買って、本棚に置きっぱなしだったのをようやく開く。旅とノラ猫ときたら、なんとなく買わないではいられなかった。まったく奥行きのない浅生ハルミンのイラストが、やっぱり最後まで奥行きのないままなのがよかった。浅生ハルミン筑摩書房に寄せていた文がすごくいい。

「猫の集会の正体は……」/浅生ハルミン
『旅するノラ猫』はとびきり愉しい猫の小説です。野良猫のノラが我が子を探す旅をして、俳句を詠み、念仏を唱え、トラックに乗り、草花をまとい、じつに充実して生きています。嵐山さんは猫の生態に通じていて、ふつうはこう、とみんなが決めてかかっている猫のしぐさの意味も、こんなふうに見えているのだなと胸が躍ります。葉っぱのしずくは猫の携帯電話であることや、猫の集会の正体は何だったかもわかります。そのようなふくよかでゴージャスでわくわくするお話が詰まっています。詰まっているだけでなく、これまで哀れなものにも悲しきものにも、やたらと神秘的にも深刻にもファンシーにもいかようにもされてきた猫についての話でありますが、『旅するノラ猫』には、猫を前にして何が書かれていないかということも深く追ってみていただけたらと思います。そこに嵐山さんという人の、万物への姿勢が浮かびあがってきます。
 私も旅したいな。猫と一緒に旅したら俳句が上手になれるかな。

猫のとりとめない感じ、しっぽの先は異次元で釣りでもしているような、ちょっとおそろしくもありとても魅力的で、猫のひみつがわかるようでやっぱりしかとはわからないので、よかった。猫自身にも自分のことはよくわかってないだろうし、そういえばわたしもわたしのことはよくわからない。