クリスマスイブの夕暮れどきは、家路をいそぐ人やパーティにでかける人なのか、乗り換え駅の人出が多かった。わが家でももれなくチキンをオーブンで焼き、ピザにミートソースのスパゲティー、フライドポテト、サラダ、スープで浮かれた食卓。食後は生クリームといちごのケーキを食べた。15センチのスポンジを焼いたが、気が小さいので三段に重ねる勇気がない。次に焼くときは三段に挑戦したい。いちごはクリスマス価格でとよのかがパック680円もした。
翌朝はツリーのもとにプレゼントがあった。セイちゃんはトーマスのプラレールでぐらぐらつり橋セット、フクちゃんはトーマスのすごろくパズル。セイちゃんは跳ねるように起きてきて、階段をもどかしいように一段一段よいしょよいしょと降りていく。プレゼントをあけて、ゆめがかなった!と絶叫。おかあちゃんがおきたらもうプレゼントあったの?と興味津々できいてきた。フクちゃんは寝ぼけまなこで、わたしが家を出たときには包みをひらいていなかったが、セイちゃんのおもちゃをうらやましがって、結局はふたりでプラレールを組み立ててひとしきり遊んだらしかった。いちごのケーキはふた晩で消えた。
- 作者: 向田和子,講談社
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/05/22
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