まみ めも

つむじまがりといわれます

コーヒーと恋愛

地元のMちゃんから葉書が届く。世界から大事な色をひとつなくしてしまったような喪失感のなかにいるにちがいないのに、律儀に便りをくれる気丈さが本当にMちゃんらしくて、思わず泣いてしまった。こんなとき、定型の文章のありがたさと、それでも彼女の気持ちが伝わってきてたまらない思いがする。

ト本。

お茶の間の人気女優・坂井モエ子43歳はコーヒーを淹れさせればピカイチ。だが、そのコーヒーが縁で仲睦まじい生活が続くはずだったベンちゃんが、突然“生活革命”を宣言し若い女優の元へ去ってしまい…。恋愛ユーモア小説。 

解説は曽我部恵一というので、読むしかない。そういえば、高校生のころサニーデイ・サービスの「東京」をジャスコジャケ買いしたのだった。アンニュイな歌詞にメロウな歌声にうっとりと溺れた日々。あんな風に音楽を聴くということがいまはできないで、その思い出に浸るように、あのころの音楽をきいてしまう。ジャケットの中の満開の桜のように散らないままになんとなくセピアになっていく。いつもはなにも入れずに飲むインスタントコーヒーに、ミルクと、お砂糖をほんのすこし入れたくなった。