まみ めも

つむじまがりといわれます

あこがれ

少し前の週末に、恩師の受賞祝賀会があって、久しぶりで都内まで出掛けた、そのときにいただいてきた花束の中の、かすみ草と紫色のなんという花なのかわからないけれど、ガーベラやカーネーションのまわりにあったにぎやかしの花たちが、ほっておいたらそのままドライフラワーになったので、ヤクルトにもらった空き瓶にさして、食卓に飾ってある。急に朝晩が涼しくなって、ドライフラワーのかさかさした感触までなんとなくものさみしい感じがする。

あこがれ

あこがれ

ト本。

麦彦とヘガティー、同じ歳の2人はイノセンスを抱えて全力で走り抜ける。この不条理に満ちた世界を。さまざまな<あこがれ>の対象を持ちながら必死に生きる少年少女のぎりぎりのユートピアを描く。『新潮』掲載を単行本化。 

「おかあさん」と呼びかけるとき、そこにはおかあさんがいなくてもいいのだった。通勤電車で涙がじゅんわりしみた。母を知らないヘガティーのおかあさんは、完璧な存在でびかっと君臨している。本当のおかあさんはいろいろ足りないけど、やっぱりぴかぴかのおかあさんです。ああそうか、おかあさん、と呼びかけるときの切ないような気持ちはあこがれと名付けてもいいのだな。