まみ めも

つむじまがりといわれます

枕元の本棚

きのう仕事を終えて外に出たら、会社のそばにある車の整備工場でかけているFM放送で「さよなら夏の日」が流れていて、その音の遠さがいかにも夏終了のお知らせ。外の空気に切なさが混じりだしたので、夜は窓とカーテンを開け放って扇風機をまわす。湯上りに窓の外でなにかが動いたような気がしてどきんとしたら、隣との境にあるサルスベリの枝が垂れ下がって花が揺れているのだった。

枕元の本棚

枕元の本棚

ト本。

幼少期の愛読書、創作の源となっている本…。芥川賞作家・津村記久子古今東西の名著から58冊を精選。想像力のツボをじわりと刺激する、“目からウロコ”の読書エッセイ。『月刊ジェイ・ノベル』連載等に加筆修正。

津村記久子の書く文章の魅力を言い表すのは難しいなあと思っていたけれど、この本の中でエドワード・ホッパーの絵の魅力について語っている「盛り上がらない」ということばがぴったりだなと思った。盛り上がらない地味な読書案内のくせに、出てくる本を次々に読みたくなってしまう。この地味さを礼賛したい。