まみ めも

つむじまがりといわれます

本なんて!

フーちゃんの体調がやっとさっぱりしたと思ったら、入れ違いで宿氏が高熱をだし、首と背部痛からの39.4度。この週末はふだんの買出しや常備菜作りのうえに病人の世話と洗濯に掃除に3人分の子守、みんなが寝たあとで追い炊きした湯船につかり、本を読んでようやくホッとする。ガス水をがぶがぶ飲む。窓を開け放っているので虫の声と金木犀のにおいが入ってきて、後戻りできない季節がまたひとつ進んでしまった。

ト本。園子温という名前を、形だけで知っていて音のインプットのない状態をひそひそとたのしんでいたのに、この本にご丁寧に読みが書いてあった。

本への愛は、人さまざま。本好きのサガも、人それぞれ。浅田次郎夢野久作万城目学芥川龍之介伊集院静など、52人の作家たちが綴る、珠玉の“本エッセイ”アンソロジー。 
塩一トンの読書 p9-15 須賀 敦子
南の島で読む本 p17 四方田 犬彦
読むこと書くこと p19-24 浅田 次郎
馬鹿的思考 p25-28 穂村 弘
心はさびしき狩人 p29-39 開高 健
挙動不審になりがちな p40-45 角田 光代
あとからゆったりと倒れる本の群もあるのだ p46-51 草森 紳一
捜しものはなんですか p52-56 椎名 誠
作家の好きな言葉 p57-60 長嶋 有
私の好きな読みもの p61-64 夢野 久作
漂流するものたち p65-69 稲葉 真弓
本の香り p70-73 小池 真理子
可能性の天国への帰還 p74-77 いとう せいこう
二十世紀が終わった夜 p78-80 園 子温
門−詩− p81-83 室生 犀星
吹き寄せられたページたち p84-87 多和田 葉子
本はみるものである p88-92 鈴木 清順
釣りと読書 p93-96 万城目 学
生涯離サヌ p97-98 出久根 達郎
韓国みやげ p99-104 西村 賢太
本のサイン p105-106 外山 滋比古
本を読む人が好き p107-110 小川 洋子
書店に行くとなぜトイレに行きたくなるか p111-114 土屋 賢二
知らない作家の本を読む人 p115-119 最相 葉月
娘に贈る『夏の花』 p120-122 栃折 久美子
田端日記 p123-133 芥川 龍之介
夢の中の本 p134-138 紀田 順一郎
いい子と悪い子と p139-142 萩尾 望都
書斎の匂い p143-144 江國 香織
わが故郷 p145-147 寺山 修司
狸汁の味 p148-151 田村 隆一
本の虫 p152-157 庄司 浅水
書斎の猫 p158-160 有栖川 有栖
一册の本 p161-164 石川 淳
本棚 p165-167 藤野 可織
だめな喫茶店 p168-169 宮沢 章夫
本屋と漁師 p170-174 伊集院 静
本の夢、夢の本 p175-178 室井 佑月
太宰元年 p179-186 久世 光彦
独逸の本屋 p187-194 森 茉莉
おまえが出ていけ p195-197 夢枕 獏
押し葉が本のあいだから p198-201 堀江 敏幸
つか見本 p202-204 荒川 洋治
冬の書斎 p205-207 高山 文彦
私と文庫 p208-209 朝井 リョウ
岡村先生の書棚 p210-215 池内 紀
古本屋 p216-218 常盤 新平
空想と事実 p219-221 窪田 空穂
Sさんのこと p222-226 宮内 悠介
鸚鵡のイズム p227-231 寺田 寅彦
統計 p232-233 山田 風太
本の紹介さまざま p246-249 土屋 賢二

酒のほそ道の諏訪さん風のしゃべり方をするKさんによると、となりのスペースで仕事をしている本好きの先輩はものが捨てられない性分で、本を整理するのに、裁断機を買って、ページをばらし、一枚一枚pdf化するという作業を夜な夜なやっているらしく、ちょっとしたホラーのようだ。ブックオフに二足三文で引き取ってもらい、読みたくなったら都度図書館で借りればよいというような考えは、本の一冊一冊に対する愛が足りないのかもしれないと、自分のやり方が不安になってしまった。そのくせ家の本棚も、図書館で借りてくる本も、どちらも容量オーバーでなかなか読みきれずにいる。