まみ めも

つむじまがりといわれます

日本ミステリーの一世紀 中巻

週末、鹿奇沼さんが遊びにきて、泊まっていった。二人称があなたの娘さんと、シャンパンと赤ワインをがらがらに入れてひいてきた。太巻きや焼き鳥やパンにチーズをお土産にしてくれたので豪華な食卓になった。こちらは「やっと会えたね」の卵焼き、ラザニア、豆のピクルス、鶏肉のチャーシュー、コブサラダなどを用意した。いい加減によっぱらい、次の日は寒風吹きすさんでおったけれども、おかげでメデューサ化した髪型も木枯らしにまぎれていた。

ト。

中巻は主に昭和30年代から40年代前半までの作品を収録、斯界の流れを鳥瞰できるよう編まれている。角田喜久雄「沼垂の女」、島田一男「作並」、有馬頼義「謀殺のカルテ」、仁木悦子「おたね」など14編。
沼垂の女 角田 喜久雄
獅子 山村 正夫
作並 島田 一男
ある脅迫 多岐川 恭
謀殺のカルテ 有馬 頼義
散歩する霊柩車 樹下 太郎
おたね 仁木 悦子
十五年は長すぎる 笹沢 左保
あるフィルムの背景 結城 昌治
密告者 天藤 真
死者たちの祭り 生島 治郎
科学的管理法殺人事件 森村 誠一
小梅富士 都筑 道夫
盲目物語 土屋 隆夫

辛口の高島俊男結城昌治をほめていたので気になって図書館で予約した。珠玉のミステリーてんこもりの一冊。「ある脅迫」だけはアンソロジー「口笛ふいて殺人を」(いかすタイトル!)で読んでいた。しめっぽい余韻を残す物語がどれもいい。沼垂とか作並とか、地名もいかにもなにか仄暗い感じを漂わせていて、ミステリーはこうでなくっちゃ。