まみ めも

つむじまがりといわれます

散歩本を散歩する

あたらしいブーツでまんまと靴ずれをつくってしまい、水ぶくれを破いたらしみるのなんの、ずるずると引きずるように歩いている。とても走れる気にならず今週は一度も走らない。朝のランが気持ちよかったけれど、フーちゃんが気配を察して泣くので家族から不満が出て、このごろは夜のねかしつけのあとで走っていた。夜に走るのはあったかい湯船が待っているのがよい。ただ、ラジオだけは夜のJ-POP推しがすごくて朝のほうがよいと思う。どっちにしてもこのまま少し春めいてくるまで走る気にならないのではないかという予感がある。

ト。

幸田文「ふるさと隅田川」、池波正太郎「江戸切絵図散歩」…。古今東西の「散歩本」45冊の舞台を、無類の散歩好き・東京好きの著者が歩き、イラスト付きで町案内する。『散歩の達人』連載に加筆し書籍化。
水の都 東京
川辺の酒問屋街 幸田 文『ふるさと隅田川
モヤにけむる夢の浮橋 鈴木理生『江戸の橋』
川底に村が眠る大河 竹内正浩『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩』
“昭和広重”の鳥瞰図 村松 昭『多摩川散策絵図』
いつの時代も娯楽の水辺 陣内秀信+法政大学陣内研究室『水の都市 江戸・東京』
水の都・東京の記録 幸田露伴「水の東京」
江戸の面影 TOKYOワンダーランド 江戸いろは会『「江戸」を歩く』
「目黒白金図」を歩く 池波正太郎『江戸切絵図散歩』
ある噺家の思い出の江戸 三遊亭圓生『江戸散歩 上・下』
花見の名所のいま・むかし 江國 滋『絵本・落語風土記
絵図を手引きに中山道へ 今井金吾『新装版 今昔中山道独案内』
江戸時代の迷い子探し 長谷川渓石 画/進士慶幹・花咲一男 注解『江戸東京実見画録』
百兵衛さんがいた路地 安藤鶴夫『わが落語鑑賞』
東京一の眺望の変容 芳賀ひらく『デジタル鳥瞰 江戸の崖 東京の崖』
古い宿場の裏町で 岩本素白東海道品川宿岩本素白随筆集』
坂の名も江戸っ子気質 横関英一『江戸の坂 東京の坂(全)』
コラム 日本のまち並みに思うこと
明治、大正、昭和をたどる
神社の裏手の坂道 永井荷風『日和下駄 一名 東京散策記』
善福寺川の二人 井伏鱒二荻窪風土記
ふだんどおりの怪異 内田百輭「東京日記」
山の手のお屋敷町の記憶 新井 巌『番町麴町「幻の文人町」を歩く』
ボクの(ワタシの)桃源郷 新潮社 編/東京国立博物館 監修『こんなに面白い東京国立博物館
明治建築にチョコッと潜入 穂積和夫『絵で見る 明治の東京』
平和になった自殺の名所 今 和次郎『考現学入門』
昭和五年の地図を片手に 赤岩州五/原田 弘・井口悦男 監修『銀座 歴史散歩地図 ―明治・大正・昭和』
東京生まれの東京育ち
歌舞伎とSFの幻影風景 木村荘八『新編 東京繁昌記』
隠者がつくった浅草絵図 荒俣 宏『大都会隠居術』
パリのブルヴァール歩き 滝田ゆう『下駄の向くまま 新東京百景』
裸女像のミステリー 小沢信男『東京の人に送る恋文』
酉の市へ裏道散歩 小沢昭一『ぼくの浅草案内』
「一つ目小町」の華やぎ 種村季弘『江戸東京《奇想》徘徊記』
“亀有年代記”のその後 秋本 治『両さんと歩く下町』
純正な一徹者の町 川本三郎『ちょっとそこまで』
小さな旅
東京の西の端をさまよう つげ義春『新版 貧困旅行記
町に残る“パリー”の時代 若菜晃子『徒歩旅行』
シャトーに見る夢のあと 財団法人日本ナショナルトラスト 監修『日本近代化遺産を歩く』
日本版ソングラインをゆく 今尾恵介『鉄道唱歌と地図でたどる あの駅この街』
スイス青年の「わが町」 ニコラ・ブーヴィエ『ブーヴィエの世界』
所要時間二分の単線 長谷川 裕・村上 健『怪しい駅 懐かしい駅 東京近郊駅前旅行』
足袋とフライの城下町 安西水丸『ちいさな城下町』
味な散歩
いとしい食べ物の由来 菊地武顕『あのメニューが生まれた店』
石臼組の居つく酒場 太田和彦『銀座の酒場を歩く』
地下街で「時間くぐり」 坂崎重盛『東京煮込み横丁評判記』
王さまの一日ゴホービ 『東京渋カフェ地図』
元場末のレストラン 辻 征夫「池袋 土曜の午後」
味わい深いごちそう 平松洋子『焼き餃子と名画座 わたしの東京 味歩き』

池内紀川本三郎つげ義春安西水丸を紹介しているというたまらないラインナップ。手のひらサイズの東京を案内してくれる。東京はなんだか遠くなってしまって大学の構内やそばの路地や坂を思い出すとあの頃に触れた本や音楽や怠惰な時間が立ちのぼってくるようで胸がしめつけられる。