まみ めも

つむじまがりといわれます

ナショナル・ストーリー・プロジェクト〈1〉

週末なんとなく寒気がからだをはいのぼってくるいやな感じがあって、午後、ソファでとろとろしながらテレビをみていて何気なく熱をはかったら、フーちゃんとふたりして37.5度なのだった。夜は納豆巻きと高野豆腐、玉子、ほうれん草と椎茸入りの田舎巻きを作った。テレビではいろんな恵方巻きが出ていて、オムライスで海老フライを巻いたのや、金ぴかの一万五千円の太巻き、サーロインステーキ肉のかたまり300グラムの太巻き阪神ファン負けに黄色と黒に配色した恵方巻き、世の中はずいぶん浮かれておるな。熱い風呂に浸かり、夜はグリーンラベルでパブロンを流し込んでさっさと寝た。

ナショナル・ストーリー・プロジェクト ? (新潮文庫)

ナショナル・ストーリー・プロジェクト ? (新潮文庫)

ト。

「誰かがこの本を最初から最後まで読んで、一度も涙を流さず一度も声を上げて笑わないという事態は想像しがたい」。元はラジオ番組のためにオースターが全米から募り、精選した「普通の」人々の、ちょっと「普通でない」実話たち――。彼の小説のように不思議で、切なく、ときにほろっとさせられ、ときに笑いがこみ上げる。名作『トゥルー・ストーリーズ』と対になるべき180もの物語。
見知らぬ隣人(承前)
ブルックリン・ロバーツ/二人部屋、一泊一三八〇ドル也/怪我の「光明」/雪
戦争
北軍一の俊足/一八六二年のクリスマス/グラッパ山/サヴネー/五十年後/彼は姉と同い年だった/ルイおじさんに賭ける/10(テン)ゴール・プレーヤー/最後の一番/一九四五年八月/ある秋の午後/父さんは神様だと思った/お祝い/一九四五年のクリスマス/記憶のつまったトランク/晴天の遠足/暗がりの一発/マウスケット隊員の告白/いつまでも/一九七五年、ユタ

もしも/トルテリーニの神秘/意図せぬ手助け/区画(プロット)/数学的媚薬/お二人席/スージーはえり好み/第一ボタン/レースの手袋/スーザンからこんにちは/イーディス/魂は飛び去るもの/配達を待って/ポールと凧を揚げた日/愛のレッスン/バレリーナフォーチュン・クッキー

遺灰/ハリスバーグ/考えさせられること/おやすみ/木殺しのチャーリー/死者のはったり/私の親友/知らなかった/心停止/祖母のお葬式/ハイ・ストリート/失敗した処刑/幽霊/心臓手術/泣き場所/リー/サウスダコタ/フィルとつながる/手紙/予行演習/無名の決定要因

午前四時五分/深夜の出来事/血/夢判断/ハーフボール/金曜の夜/ファレル/「ジル」/ノルマンディー上陸日/石塀/天国/父の夢/パラレルライフ/アナ・メイ/長い年月
瞑想
裁縫レッスン/日曜日のドライブ/マヨネーズサンド/海辺/長い冬のあと――ワシントンDC/一味違うマティーニ/どこでもない場所/エラ・ローズ・ロドスタはどこに?/ピーター/数の神秘/ホイールキャップ考/アリゾナ州プレスコットのホームレス/芝生の上で/ありきたりな悲しみ

等身大のセレンディピティが星のように散りばめられている。これが人生のきらめきなのだなと思う。