寒の戻りがなかなかに好きで、春先の朝晩の手足の先がしびれるように冷えるのは憎からずおもうけれどもいくらなんでも戻りすぎの感がある。昼ごろにみぞれ混じりの雨が雪に変わり、火曜にやっと咲きだした三角公園の桜に白のたしかな質量が降りかかっていた。寒いなかを駅前まで歩き、ぎょうざの満洲でずいぶん遅れたけれどセイちゃんの骨折の快気祝いをした。ビールとりんごジュースで乾杯、それぞれに好きなメニューを頼んだ。中華料理屋では炒飯以外のものを頼めない呪いにかかっているのでやっぱり炒飯。食べ終わったお皿にいちいち3割うまい!!のランちゃんがいるのがうれしい。きょうもぎょうざの満洲の炒飯はふわふわだった。
- 作者: ジャン=パトリックマンシェット,Jean‐Patrick Manchette,野崎歓
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 1996/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 73回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
ヒロインはエメ。美人で30代。だが物語は色恋沙汰の因果関係、魔性の女の繰り出す手練手管や痴情の果ての悲劇などに関係なく、ただヒロインの殺戮の行動を直截に端正に記述するのみ。ひたすらな<黒さ>を誇示する異色の作品。
庄野潤三からの世界観の落差がものすごいロマン・ノワール。4ページ目でとりあえずひとり死ぬけれど、それも遅かったと思わせるほどのたたみかけるような展開に圧倒されているうちに最後の数行でとんでもないところに連れていかれる。このどんでん返しは誰にも予想できないとおもう。どぎも。