季節においてけぼりされるあたたかさ。水曜は定期の診察で昼から仕事を休んだ。春なので靴と下着を新調した。病院で受付と採血を済ませて時間があったので一番搾りとファミチキを買って公園のベンチで一気飲み。一番搾りがぬるかった。ブックオフでぶらぶらし二冊本を買い診察。こともなし。さくらが散りはじめてすこしほっとする。さくらの季節はこの世がこの世でなくなるような落ち着かなさがある。
此処で待つ桜蘂降りしきるここ 池田澄子
- 作者: 吉田篤弘
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (49件) を見る
物語は「世界の果て」にある小さな食堂を夢見ながら始まり、静かにゆるやかにつづく。どこからも遠い場所で、どこよりも近い、すぐそばで。クラフト・エヴィング商会の物語作者が語る、ひとつながりの16の短編集。
「彼ら」の静かなテーブル p5-10
ジュールズ・バーンの話のしっぽ p11-30
ジョン・レノンを待たせた男 p31-38
シシリアン・ソルトの効用 p39-58
閑人カフェ p59-68
私は殺し屋ではない p69-76
その静かな声 p77-98
キリントン先生 p99-108
小さなFB p109-126
白鯨詩人 p127-140
ろくろく p141-164
フェニクス p165-168
ハッピー・ソング p169-182
ピザを水平に持って帰った日 p183-200
フールズ・ラッシュ・イン p201-212
Don't Disturb,Please起こさないでください p213-220
案内人が吉田篤弘なら、ページのなかにどんな世界が待っていてもどんなに遠くに連れていかれてもへっちゃら、本を閉じたときにとてもおいしい水がのどを通ったようなすきとおる味わいがある。この刹那感、グルーブ。おなじように春にも安心があるといいのだけれど、春にはなんだか安心がない。