まみ めも

つむじまがりといわれます

もう一杯だけ呑んで帰ろう。

セイちゃん8歳の誕生日。朝いちばんでおめでとうを伝える。一緒に買出しに出て、4個で98円のなすと新じゃがをセイちゃんに見つくろってもらい、桃のジュースと肉を買った。雨上がりの公園は米粒ほどの小さなかえるが無数に跳ねていてちょっとした見ものだった。小学校のそばにはむくろじの実がたくさん落ちていた。夜はグリーンラベルとジュースで乾杯し、コーン入りのポテトサラダと焼肉。ケーキは家を片付けてからひらくパーティーまでお預け。

もう一杯だけ飲んで帰ろう。

もう一杯だけ飲んで帰ろう。

ト。

近所の居酒屋、旅先の味、深夜のバーの後、家でもおかわり。人と飲むのが大好きな夫婦が、いっしょに酒を飲んだある日あるときのことを、それぞれが綴った酒飲みエッセイ。『古典酒場』『芸術新潮』掲載を単行本化。

角田光代が離婚していることはうっすら知っていたけれど、相手が伊藤たかみであることも知らなかったし、再婚相手がゴーイングアンダーグラウンドの人だったことも知らなかった。少食なふたりがメニュウ(角田光代はメニューではなくメニュウ)をひらいて〆の炭水化物までの注文を慎重に相談するのがおかしい。もう一杯だけ、で一杯だった試しがない。外で飲むときにはビール一辺倒だったけれど、角田光代の頼むレモンハイを飲んでみようかという気になった。