長らくしんどかった副鼻腔炎は、耳鼻科でセフカペンピボキシルを処方してもらったおかげで軽快して、ものの風味がわかるようになった、とはいえ、わかったところで食べられないものが多い。さっぱりしたものをずっと口に含んでいたい。中途半端な味付けはわからなくて風味の強いものも食べたくなる。父の敗血症騒ぎで帰省したときにおじに持たせてもらった奈良漬がやたらおいしくて、もったいないので小さく切ってぽりぽりとかじっている。
- 作者: 柴崎友香
- 出版社/メーカー: 京阪神Lマガジン
- 発売日: 2013/09/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る
小説家・柴崎友香が、生活の中で実感したこと、身のまわりで気になることなどを、普段しゃべっているそのままの大阪弁で綴る。漫画家・サライネスとの対談も収録。WEBサイト『エルマガbooks』連載を書籍化。
「ボヤき芸」と友人にいわせたという柴崎友香の日記。日記を読むと人となりがわかったような気になってツイッターなどフォローしてしまう。
そんなつもりはなかったのに関東暮らしが人生の半分以上を占め、大阪には片手で数えるほどしか出かけたことがなくなじみの薄いままになってしまった。ひととの距離感がちょっとだけ怖い。たこ焼きの値段を簡単に割り切れなくしたら「高いなあ」といわれなくなったという話はものすごくらしくていい。