週明けに、ゆでたずわい蟹が三杯おくられてきて、この追いまくられるような日々に蟹をおろす暇などあるもんかと思ったけれど、なんとかやった。もちろんのこと格別においしいけれど、蟹とはなんと手を煩わせる食べ物だろう。いなかではずわい蟹しか食べなかったので、ほかの蟹をよそで食べたときには、味わいの違いにショックを受けた。ほかの蟹はいまだにあんまり食べたいと思えない。かにかまは大丈夫。
- 作者: 片岡義男
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/06/15
- メディア: 単行本
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ト。
昭和の喫茶店に誘われるように出会う男と女、漂う音楽、そして本と珈琲とカレーライス…。あの頃の、奇跡のような「日常」がここにある。男と男/男と女を巡る7つの物語。『文藝』掲載を単行本化。
ほろり、泣いたぜ
ピーばかり食うな
くわえ煙草とカレーライス
青林檎ひとつの円周率
春はほろ苦いのがいい
大根おろしについて思う
遠慮はしていない
くわえ煙草とカレーライスというタイトルで、半ばちっと思いながらも借りてしまう片岡義男。そのくせ目次にならんだピーばかり食うなという文字列だけですべてを許す気になっている。片岡義男にはごめんだけど、ピーばかり食べてしまう。