新年早々異動のフラグが立った予感。
かじかむ朝の弁当作りはとにかく作りおきのおかずを詰めた。人参のソテー、煮しめ、レンチンの玉子蒸し、冷凍食品の肉詰めしいたけ、栗きんとん。朝のしんとした台所でぎりぎりに音量を下げてラジオをきく。
月曜が日の出の一番おそい朝で、ここからはオブラートが一枚ずつはがれるように朝が早くなる。日の出前に家を出て、会社の最寄駅につくころまでには星のまたたきが淡くなり空があかるくなる。Spotifyでシャーデーをきく。夜明けがはやくなったら、シャーデーの似合う時間ではなくなってしまう。春は待ち遠しいけれど、惜しむようにシャーデーをあじわう。
- 作者: 井伏鱒二,幸田露伴,上林暁
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2010/10/12
- メディア: 文庫
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きょうも釣竿をもって
水面にうつる人間模様
太陽堂釣具店主人の鑑定によると、私の白毛はテグス糸の四毛ぐらいの太さである――そんな私が渓流釣りの青年たちに味わわされた腹立ちやまぬ珍事件(井伏鱒二『白毛』)。見事な釣竿に目がくらみ拝んで手にしたはよいのだが…江戸の怖い話(幸田露伴『幻談』)。互いに家族を抱え生活に追われながら、将棋を指し、釣りに興じと交友を温めてきた日々。男たちのさりげない友情が胸にしみる上林暁『二閑人交游図』。含羞とユーモア、水面にうつる滋味豊かな人間模様。
二閑人交游図に出てくるやたらちくわ好きの小早川君がいいなあと思っていたら上林暁その人だったので笑ってしまった。ししまるみたいでかわいい。