十字屋のかぶら寿司をかみしめて味わう日々。こんなに淡くやさしいお漬物をほかに知らない。一句読みたくなるような風情のある一品。かぶら寿司をおいしく食べたいために、ビタミン剤をまじめに飲んで口内炎をなおそうとしているし、午後は胃を気持ち悪くしたくなくてコーヒーをうすーくうすーく入れて飲む。たべるしばらく前にはみがきをして口の中をさっぱりニュートラルにする。だって十字屋のかぶら寿司を知ってる?なんたって最高なんだよ。
- 作者: 伊藤比呂美
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2018/08/17
- メディア: 単行本
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60代、親のいなくなった日本は空虚で、娘たちのいなくなった家からは若さが消えた。夫は死に、孤独にひたひたと向かっていく毎日は…。老いゆく詩人が「今」を綴る。『婦人公論』ほか掲載に加筆し単行本化。
そうはいってもと思ったけどなかなかのたそがれぶりだった。あたしなんて言ってるし、まだまだ若いと思ってたよ伊藤比呂美。そしてこれはひたひたと自分にも寄せてくるたそがれの波なのだ。自分のたそがれ時には小保方晴子と伊藤比呂美に続けとばかり瀬戸内寂聴に話を聞きにいくつもりなので、ぜひとも元気で長生きしてもらいたい。