ふくちゃんの入学式があって、その日はやすみ。つめたい雨が散りぎわの桜を濡らす日で、駅前まで出て、からだが冷えたので駅のコーヒー屋でふたりであったかいココアをすすり、シナモンロールを半分こにした。 はや昼でサッポロ一番を食べ、支度をし、やどと合流して入学式をすませ、保育園に顔見せをして帰宅。夜はふくちゃんのリクエストのコーンスープにスパゲティ・ミートソース。次の日が初登校で、学校の雰囲気においてけぼりをくらってしょんぼり帰ってきた。うつむき加減のふくちゃんに合わせて、弁当のおかずの好物が増える。金曜はコーンのバター醤油炒飯にしゅうまい、大学いもをたくさん入れた。どんなに気分が沈んでいても、お弁当はきれいにからっぽになっていて、すこしだけホッとする。
ト。
月へ行ったきりのドリトル先生の帰りを、動物たちは待ちわびています。ところがある日、巨大な月のバッタにのってやっと帰ってきた先生は、なんと6メートル近い巨人になっていました。
第 一 部
1 先生を待ちわびて
2 ネコ肉屋の助言
3 チープサイドの来訪
4 月 蝕
5 私は救助におもむく
6 空の物音
7 大イナゴ
8 先生の声
9 月からきたネコ
10 ドリトル家の革命
11 先生の事故
12 月の博物館
第 二 部
1 ドリトル先生が長らく月世界にいた理由
2 博物学者の天国
3 オーソ・ブラッジのとりこ
4 月の紳士
5 別 れ
6 動物園づくり
7 コッカー・スパニエルのスキッブ
8 牢屋にはいる方法は?
9 ジルスバラ
10 マチルダ・ビーミッシュ夫人
11 やっと牢屋へ
12 月のネコ
13 先生の独房で
14 悪たれ小僧
15 大 宴 会
ドリトル先生は「立派な紳士」……大 平 健
絶望感や死にたい気持ち、不穏な空気というあたらしい展開をみせた月三部作のおわり。月から戻った先生が自由になるために牢屋にはいるのには笑ってしまった。そしてガブガブは今作でもマイペースなおとぼけでふるっている。「月あかりでタマネギを掘るのは、ぼくは大好きなんだ。」「何か詩的な感じですよ。」ときたもんだ。わたしだって月あかりでタマネギを掘って、詩的なインスピレーションに撃たれてみたい。