桜の花びらが落ちて、残った花のうすピンク、葉桜の緑、 桜蘂の紅いろが混ざりあってモザイクになって、ちょっと気持ちがほっとする。桜の季節特有の祝祭感がほんのすこしだけしんどい。ヘモグロビンは9.2まで落ちてしまい、尿は血が混じり、会陰部がちくちくする。毎日がキワキワで、この間は朝、駅のホームで立っていたらたまらなくなり、うずくまりたい、でも、うずくまったらもう二度と立ち上がれないような気がして、こらえて、冷や汗をかいて、優先席にもたれ込んでハアハアいってしまった。トイレの鏡にうつった顔は青白いというより泥のように澱んで冴えなかった。
ぼろぼろのからだをひきずってあしたまたぼろぼろになるためにねる /岡野大嗣
ト。
いか天そばに動揺する「川一」、土地の記憶を食べる「白河そば」…。東京の立ちそば26店を取り上げ、それぞれの昼と夜を描く。『本の雑誌』連載を加筆し書籍化。データ:2018年11月現在。
いまはとても立ちそばで立ってすすっていられる感じではないけれど、そのうち立ちそばデビュー、してみたいな。デビュー戦はコロッケそばに挑みたい。