まみ めも

つむじまがりといわれます

父と私の桜尾通り商店街

金曜、かがやき532号で浦和に戻ってきた。ならびの席みっつに、五人で。帰りに駅前のバーガーキングでソフトクリームをなめ、青物屋で買い物をすませると、一気に生活がまわりだす。帰宅即麦茶をいれ、米を炊き、夜はレトルトのカレーライスとハヤシライス。父は中心静脈栄養とタルセバでがんばっている。アルブミン1.7g/dlでかなり低く、酸素吸入もとれないでいる。小学校の給食がはじまり、お昼のしたくはお役御免。くるみ入りの食パンをがりがりにトーストし、あつあつのところにマーガリンを塗ってしみこませ、6Pチーズをちぎって、生ハムをかぶせて、かじりつく。

父と私の桜尾通り商店街

父と私の桜尾通り商店街

 

ト。

桜尾通り商店街のはずれでパン屋を営む父と、娘の「私」。コッペパンをサンドイッチにして並べはじめたことで、予想外の評判を呼んでしまい…。『文芸カドカワ』等掲載に書き下ろしを加え単行本化。

白いセーター p5-51
ルルちゃん p53-79
ひょうたんの精 p81-106
せとのママの誕生日 p107-143
モグラハウスの扉 p145-185
父と私の桜尾通り商店街 p187-235 

今村夏子はどれを読んでもぐっとくる。世界のはじっこ、こぼれおちそうなところにきっといる人が描かれていて、しかも、ひょっとしたらこれは自分じゃないのと思ってしまう。