まみ めも

つむじまがりといわれます

さよならのあとで

台風一過でなにかが一挙に花開いたらしく、鼻はぐずぐずするし、目も身体もかゆくて、全身くまなくフェミニーナ軟膏のお世話になりたいくらいデリケートになってしまった。心のなかだけは折りよくタフなタイミングでよかった。どこかの下着メーカーが、胸を締めつけるのは恋だけでいいみたいなコピーを使っていたけれど、恋で胸を締めつけられるのもこれまでにたっぷり味わったのでもうこれ以上は勘弁してほしいなと思ってしまった。もちろん、ブラジャーだって補正力ゼロで布を当てている程度のものなので、いっそしなくてもいいんじゃないかと思うときがある。実際しないときもある。

急に季節のすごろくがすすんだので、鍋を戸棚から下ろして水炊きをした。ぶつ切りにしたもも肉に塩を振って、大根と一緒に弱火でくつくつ一時間、そこにえのきとうっふんうっふんな白菜とねぎと豆腐、くずきり、トッポギ 。柚子胡椒とぽん酢。

さよならのあとで

さよならのあとで

 

ト。

死はなんでもないものです。私はただ となりの部屋にそっと移っただけ。英国教会の神学者であり、哲学者でもあったヘンリー・スコット・ホランドの詩の邦訳を、絵本作家・高橋和枝の絵とともに収録。

 コハガラナクテモイヽと宮澤賢治はいうけれどもやっぱり心配でこんな本を読んでしまう。何度も読み返した。大草原の小さな家では、キルトを完成させるのと同じよといったおばあちゃんがいたっけ。隣の部屋にうつるだけ、曲がり角のむこうにいくだけ、それでも心細い。ずっと同じように名前を呼びたいし、呼んでほしい。