まみ めも

つむじまがりといわれます

ド・レミの子守歌

いよいよの局面が波状に押し寄せていたおとうさんだったけれど、こないだ触れた手足のつめたさに本当にいよいよなのだなという気がしたので、こどもたちと帰ることにして、新幹線のなかで食べるおにぎりを作っておやつやジュースと一緒に巾着に詰めたりしていたら、あと少しです、というメッセージがおかあさんからきて、たまらず、家の中でワーワー泣きながらおとうさん、おとうさんと呼んでしまう。一気に冬が来たように冷え込んだ冷たい雨の日で、暖房をいれて、おとうさんが寒くしてないといいなと思う。こどもたちと1650大宮発かがやき511号に乗りこみ、ココアを飲んだり、花のくちづけをなめたりしていたら、おかあさんから連絡が来て、間に合わなかった。新幹線の到着する25分前だった。病院にむかい、つめたくなったおとうさんにおつかれさまを言い、看取ったおかあさんにもおつかれさまをいい、ばたばたと家に帰り、仏壇を運びこんだり、枕経をあげたり、葬式で悶着したり、めまぐるしい葬祭の幕開けだった。おとうさん、ほんとうに死んじゃったなという気持ち。一週間前、またくるねと声をかけて、また会えなかったけれど、これからはいつでも会えると思ってやっていく。

ド・レミの子守歌 (中公文庫)

ド・レミの子守歌 (中公文庫)

 

ブ。2014年に108円で買ったものの再読。

できた! 産まれた! さあ、子育てのはじまり! 平野レミがママになったときのこと、その後の子育てのことを、よろこびも戸惑いもつつみ隠さず、明るく語る。巻末に、和田唱「全てのお母さんに」も収録。

おとうさんのお見舞いにきたときに選んだ文庫本一冊。