まみ めも

つむじまがりといわれます

雨が続く。梅雨どきは全身これデリケートゾーンとなり、夜中に目が覚めるとむずむずして寝つけない。うとうとしたところでげんちゃんが泣き出す。 

紫陽花や枇杷に気をとられていたら、いつのまにか庭に百日紅の花が落ちている。百日紅、毎年咲くタイミングを見逃してしまう。百日紅だけが鮮やかになると盛夏だなと思う。ブルーベリーが少し色づいてきた。 

七月になって、せいちゃんとふくちゃんに味噌汁の作り方を教えた。今朝はふくちゃんが玉ねぎと豆腐で作った。土井善晴が「みそ汁なんて、濃くても薄くても、温かくても冷めてても、みんなおいしい」「みそ汁は、どんな具材を入れてもおいしくなる」というので、そらそうだと思って、好きなように作らせている。おいしいおいしいと啜る。料理をすることは既に愛している。食べることは既に愛されている。  

某

  • 作者:川上 弘美
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: 単行本
 

 

https://www.gentosha.co.jp/book/b12627.html 

ト。 

名前も記憶もお金も持たない某は、丹羽ハルカ(16歳)に擬態することに決めた。変遷し続ける<誰でもない者>はついに仲間に出会う。愛と未来をめぐる長編。『小説幻冬』連載に加筆・修正。  

 「100万回生きた猫」を思った。生きないと死ねない。愛すること、犠牲を払うこと。川上弘美の「あわい」の話。 

マリが山田に用意する朝ごはんがなんだかいい。 

起きだして、気が向くと、山田のためにパンをトーストする。目玉焼きもつくる。レタスをちぎって、ドレッシングをかける。バナナも、食卓にのせてみる。インスタントコーヒーをお湯で溶く。 

そうだった、料理をすることは既に愛しているんだった。