七夕の翌朝に初蝉を聞く。週明けからげんちゃんの慣らし保育が始まった。ほとんど泣いて過ごしているらしく、お迎えにいくと頬に涙のあとがついていて、こちらの顔を見るとほっとするのかもう一度泣き出す。80分の間に、ロイヤルホストにいってモーニングをとったりする。フライエッグとトーストのモーニングとパンケーキのモーニング、コーンのポタージュモーニング(コーンポタージュのモーニングではない)を、一度ずつ、食べた。フライエッグのモーニングは目玉焼きがふたつ。ドリンクバーでバンホーテンのココアが飲み放題で、貴族の気分で啜る。造花の赤とピンクの薔薇が白い花瓶に生けられているのをときどき眺めながら丸谷才一を読む。窓の外はずっと雨でぐずついている。 梅雨寒でまとわりつくような湿気。
七夕はふーちゃんの五歳の誕生日だった。お祝いはのんびりと週末にやることにして、朝、起きぬけにおめでとうを伝え、夕飯はリクエストのオムライスをこんもりと盛りつけた。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000184804
ブで99円。
「博士の愛した数式」のアイロン、「日曜日たち」のリモコン…。小説家である著者が、現代文学で描かれる電化製品を熱く語り尽くす! 「オール電化」な“異色”書評、映画評18篇を収録。
伊藤たかみ『ミカ!』のホットプレート
吉田修一『日曜日たち』のリモコン
尾辻克彦「肌ざわり」のブラウン管テレビ
映画『哀しい気分でジョーク』のレーザーディスク
吉本ばなな「キッチン」のジューサー
生田紗代「雲をつくる」の加湿器
アーヴィン・ウェルシュ『トレインスポッティング』の電気毛布
栗田有起「しろとりどり」のズボンプレッサー
映画『グレゴリーズガール』の電動歯ブラシ
長嶋有の目を通じて読む小説のワンシーンたち。色つきのフィルムを通してみる世界のようで全部読みたくなった。