まみ めも

つむじまがりといわれます

キッチン

長梅雨と同時にコロナ禍で長引いていた育児休業が明けた。仕事がはじまる前にとこまごまと用事を済ませて、先週は忙しかった。休みの最終日は、せいちゃんとふくちゃん、お友だちを誘って回転ずしにいき、昼からビールを飲んでやった。わさびなすを頼んでお父さんのことを思い出す。

仕事にいく服を考えることが急に面倒になり、ユニクロとGUで、白いTシャツ1000円、黒いパンツ590円、黒い靴1690円をそれぞれふたつずつ買い求め、毎日おなじ格好で出かけることにした。考えることがひとつ減っただけで気持ちが楽になった。初日はパソコンにログインするのに一時間を費やし、のこりはずっと方々へのご挨拶とメールを読んで終わった。昼休み、ごはんのあとに本を読む時間がうれしい。夏休みになって家で留守番をしているせいちゃんとふくちゃんからメッセージが届く。おひるごはんを食べたかたずねたら、「とおつてもおいしかつたよ」「か゛ちでだよ」の返事。パソコンのかな入力がつたない。か゛ちでおいしかつたのは、流水麺のうどん。

キッチン

キッチン

 

ト。

祖母が死んで一人ぼっちになったみかげは、田辺家に同居する。田辺家には大学生の雄一と、その母がいた。母は実は女装した父親であった。もとの部屋を整理する孤独なみかげを、雄一親子の優しさが包む。ほかに2編。

キッチン

満月

ムーンライト・シャドウ

電化製品列伝(吉本ばなな「キッチン」のジューサー)を読んだら懐かしくなって、22年ぶりに読む。22年ぶりと細かく覚えているのは、大学の教養課程の第二外国語で「キッチン」のドイツ語訳を日本語に訳すという逆輸入の授業をやったからで、当時は文章の体裁がめちゃくちゃなばなな節に振り回されてしまった。いまになって読むととんでもなさを素直に読めるのがおもしろい。吉本ばななの文章にはどこかしらセラピーのようなところがあって、読んでいるとしらずしらずのうちに上がっていた生活のペースをなだめてくれる。