まみ めも

つむじまがりといわれます

長い終わりが始まる

お盆をすぎると気配に秋が漂いはじめる。鈴虫がふるふる鳴いている。遊歩道の無花果をひとつもぎって半分に切って食べる。中身をじっと見ているとなんだか変な気分になってくる。どうしてこうなった、という顔の中身だから。

日曜はいろいろの用事をすませ、ふーたんと駅前でチョコレートサンデーを食べた。家にいると、げんちゃんが、居間の本棚から本を床にぶちまけ、台所のワゴンから缶詰をぶちまけ、ペットボトルをなぎ倒し、畳んだ洋服を次々と蹴散らし、家の中をどんどん荒らしていく。片付けがまったく追いつかない。だんだんどうでもよくなってくる。右のものを左へ、上のものを下へという生活がここにあります。どうですか。困り眉のかわいこちゃんもついてますよ。

長い終わりが始まる (講談社文庫)

長い終わりが始まる (講談社文庫)

 

 ト。

マンドリンサークルに入っている大学生の小笠原は、未来になんて興味がなく、就職活動よりも人間関係よりも、趣味のマンドリンに命をかけている。そして、とても好きな人がいる。いつまでも流れていく時間を描いた青春文学。

終わりは甘く苦しい。始まる前から終わっていて、終わったあとも続いていく。