まみ めも

つむじまがりといわれます

希望という名のアナログ日記

遊歩道のいちじくを、ハムとチーズとサンドイッチにしてお昼に食べる。花が内側に咲いているのを隠頭花序というらしい。内側の花のところをじっと眺めていると裏返しになってしまいそうな変な気分。裏返しになる前に食べてしまう。今年は春の梅がなり年だったのに続いて、遊歩道のすももらしき実もたわわに実って、とる人もいないので地面にばらばらと実を落としている。

鎌倉から届く荷物に入っている絵葉書が、齋正機の「涙ヲ拭ク」という絵で、台所にたつ母親が大根をまな板にのせてとんとんやっている前掛けにこどもがしがみついている。ふたりとも表情はわからない。なんでもない日常の無口な佇まいがいろんなことを語っている。何度も眺めてしまう。

希望という名のアナログ日記

希望という名のアナログ日記

 

ト。

角田光代のエッセイ集。半生を振り返る回想から、愛してやまない忌野清志郎論、シャネルNo5のドキュメント、そして、恋愛と結婚、美味しい旅の記憶までを鮮やかに描く。ほか、短篇「それぞれのウィーン」も収録。

高くも遠くもいかなくていい、掘った穴を埋めるような一日が過ごせること。高くも遠くもいかないし、掘った穴を埋めることもままならないけれど、通勤の電車や昼休みのデスクでコーヒーを飲みながら本を読んでバランスをとる。ホットコーヒーに切り替えるタイミングがつかめない。