まみ めも

つむじまがりといわれます

天使のとき

主義主張というものがあるとするなら、みずからにチュニックを禁じている。チュニックを着るようになったらおしまいだ。いくらチュニックが古代ギリシャ・ローマの由緒正しい語源の衣服だとしても。チュニックはなんたって着る人を選ぶので、生まれ変わって新垣結衣蒼井優(チュニックが似合うふたり)になれたら、そのときには堂々とチュニックを着て町に出よう。

この間、久しぶりにぶらぶらしながら洋服を見 眺めたりしたのだけれど、なにを着ても違和感のある中年期につき、鏡で合わせてもことごとくピンとこない。選ぶことも面倒になってきたところで、一枚だけ気に入ったものが見つかりワンピースを買った。チュニックはだめでもワンピースは良いことになっている。ワンピースはなにも考えずに一枚だけ着れば完結するところもよろしい。せっかく買ったのにもったいなくてまだ着ていない。

天使のとき

天使のとき

  • 作者:佐野 洋子
  • 発売日: 2008/12/05
  • メディア: 単行本
 

ト。

「一生に一度だけ、春画を描きたかった」。著者が遂に刊行を決意した衝撃の家族のシュールな物語。チチとハハはうなぎ丼を食べ、かやの中でまぐわい、アニとイモウトは生まれた。ハハに愛されるアニ、ハハに憎まれる私。ぽいっと捨てられるチチとハハ。話題の『シズコさん』につながるハハとの葛藤をえがき、幼き日々のアニとの幸せな交歓が詩的に表現される。柔らかでエロティックなエッチング12枚つき。

家族のなかに渦巻く残酷さをそのままに。向田邦子が、家族は最悪のところ殺し合わなければいいといっていたのだから、これでいいのだと思う。