まみ めも

つむじまがりといわれます

ぼくは本屋のおやじさん

花水木と木香薔薇が咲いて、目に映る街並みが華やいでいる。数年前におとうさんが病を得てから、春が待ち遠しいながらに憂鬱でたまらなかったのだけれど、いよいよ死んでしまって一年あまりを過ぎると、春のしんどさがだいぶ軽くなり、あれはおとうさんのこれからを憂う気持ちだったのだなあと今さら気がつく。ときどきiPhoneのなかのお父さんの声を聞く。なくなってしまったものが手のひらの中で再生される。

ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫)

ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫)

  • 作者:早川 義夫
  • 発売日: 2013/12/10
  • メディア: 文庫
 

ブ。

ロックグループをやめ、小さな書店を始めた著者。再び歌手を始めるまでの22年間で学んだ大切なこととは? 置きたい本が入荷しないもどかしさ、客とのふれあい、書店主同士の交流…。歌手・早川義夫の書店主時代の奮闘記。

ブックオフ大学と本屋の本が続いた。ブックオフとはだいぶ趣きの違う本屋の話。表紙の絵は藤原マキつげ義春の漫画をカバーにしていたこともあったらしい。

「この世で一番素晴らしいことは、ふつうであること、と思うようになった」