まみ めも

つむじまがりといわれます

日の名残り

火曜の帰り際に電話がぶるぶるし、げんちゃんがおなかを下しているという。そのままお迎えから病院に連れて行き、中一日ではおさまらず、金曜日は保育園をやすませて昼で仕事にあがりそのまま大型連休に突入。連休初日は一年振りのサンダルを履いて三か所に靴擦れを作った。

ト。

短い旅に出た老執事が、美しい田園風景のなか古き佳き時代を回想する。長年仕えた卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々……。遠い思い出は輝きながら胸のなかで生き続ける。失われゆく伝統的英国を描く英国最高の文学賞ブッカー賞受賞作。

三月の文庫本特集の本棚にカズオ・イシグロがあって迷わず手に取る。読み進めるうちに募るもやもやを丸谷才一の解説が一挙に回収してくれる。解説が小説を見事に昇華させる一冊だった。