ふーたんが、園でオズの魔法使いの劇を見て以来、脳のことをおみそと呼ぶ。ちゃんと頭におみそ入ってるかなあ?なんていうのがツボで、そのままずっとおみそと呼んでいてほしい。兄の家のトイプードルは、兄の名前から一字とってコテツというのだけど、トイプードルをみかけるたびにコタツににてるね!というのもそのままでお願いします。
そんなふーたんは、せいちゃんの誕生日に自転車にのれるようになった。もうこげなかった世界には戻れない。後戻りのできない時間を生きているということをときどき思い知る。
ブ。
日本橋を渡り、かつて焼け落ちた白木屋に思いを馳せ、墨田川沿いで美女にたばこの火を拝借。都心の花街・荒木町で耳に届く粋な三味線の音。両国で元小結の息子が作るカツカレーを堪能し、目黒では、五百羅漢の言葉に首を垂れる。歴史の横顔。ほろ苦い別れ。東京をこよなく愛した著者がそぞろ歩く、艶なる街々。(※本作は、2015年3月に小社より刊行された単行本から、東京二十三区内の回を選び、文庫化したものです。)
図書館に世田谷文学館の安西水丸展のチラシがあって、お、でも都内までいけないなあと思っていたけれど、コロナで休館になってしまっている。水丸印のグッズを心ゆくまで買い漁りたい。そんな煩悩をなだめるためにブックオフで買ってあった水丸本を取り出す。村上さんがきいたらやれやれと言うだろう、という場面が三回ほど出てくるのがおかしい。村上春樹ほどやれやれが似合う人はおるまい。読んでいたら新宿中村屋のカレーがうまそうなので、レトルトを買って食べた。