まみ めも

つむじまがりといわれます

イナバさん!

木曜日、ふーちゃんの遠足の日はねらったように一日だけ本降りの雨になった。それでも五時前に起き出してお弁当をこさえる。

ふーちゃんが書いたお品書きは

おにぎり そうせじ ぶろこり みみと

 きやごまた すうそ♡くべゆき とま

だった。魚肉ソーセージの飾りきりに挑戦したのだけれど、簡単そうだと思って選んだ薔薇の花は、まずピーラーで薄くむくというところでつまずいたので早々にあきらめ、輪切りにした片方を六つに割り、真ん中にコーンを詰めるお花というのを作った。弁当箱の位置を変えるたびにコーンが飛び出してくるので、出る杭ではないが出るコーンは押し込まれるのだった。ふーちゃんは六時前に起き出してそわそわしていたが、お弁当をからっぽにして帰ってきた。

ふくちゃんのお誕生日プレゼントにもらった二冊のうちの一冊を借りて読む。

『イナバさんは、忘れ物が多い』通勤電車での帰り道、ついつい寝こんでしまうイナバさん。とうぜん、電車に置き忘れた物も多くて…。『夜のカフェテラス』絵画展のチケットをもらったイナバさん、ふつう程度に芸術に興味はありますが、人混みは苦手で…。『イナバさん、影を追いかける』イナバさんの影が逃げだしたので、さあたいへん。追いかけて乗りこんだ電車はみょうな電車でした。ゆかいで、だきしめたくなる白ウサギファンタジー

ちょっと間の抜けたイナバさんがいい。丁寧な描写で異世界の扉をひらくところが、安房直子の作品と少し似ている。