まみ めも

つむじまがりといわれます

これでもいいのだ

いつからか宣言しなくなった梅雨入りは「したとみられる」のぼかしが効いてジャパニーズ仕様。あじさい、セピアになってきた。駅前の八百屋に並んでいたいちごは6月8日のとちおとめが最後。庭先の植え込みのトマトの苗がぐんぐんのびて、一番下の実があかくなってきている。窓の張り出しにぶつかって傾いでいて、肩こりしそうな姿勢が気の毒だ。来年はもっと広々と植えてやろう。

ト。

選択的おひとり様マザー、自営業者の孤独…。思ってた未来とは違うけど、これはこれでいい感じ-。疲れた心にじんわりしみるエッセイ全66篇を収録する。『婦人公論』『日本経済新聞』連載を加筆し書籍化。


第1章 女友達は、唯一の元本割れしない財産である
プレミアム豚の夜/「小ライスは私です」/店選びは茨の道/バブルパワーにあやかりたい/「冴えない女の会」/「女子アナ」が勝利するとき/ゴッドマザーを頼まれて/戦争とのそれぞれの接点/江戸切子熱中症/離婚と親権/選択的おひとり様マザー/女に生まれて良かった/現実のファム・ファタル

第2章 中年女たちよ、人生の舵をとれ

私の私による私のためのオバさん宣言/自営業者の孤独/八年ぶりの長期休暇/私の種は芽吹かない?/「なにもしない贅沢」にソワソワ/私だってモデルサイズ/我が家の「賢者の贈り物」/観光ベタは惑う/フランスと日本。生きやすいのは?/化粧と通勤電車/「ごめんなさい」とベビーカー/「伝える」の先にあるもの/ハラスメントと権力/オール・フリー・チューズデー/ありもの恨み/コンプレックスと欲のバランス/ムズムズまでの距離/それぞれの背景/〝現役〟のアップデート/生きる糧の更新

第3章 世の中には物語があふれている

エンターテインメントは命の糧/初々しい、男たちのダイエット/健康にはお金がかかる/誰にも邪魔できない聖域/ダイエットのモチベーション/再結成したバンドに思うこと/スタンプカードの罪/ポップミュージックの存在意義/店頭の旬と欲望の旬/ぐるぐる回るあの渦が恋しい/壮大な寄り道/あれ取ってここでそれやって!/節約と贅沢と無駄遣い/ゾンビとピーナッツ/セールスマンのこだわり/「性格が良い」とはどういうことか/秘すれば花/ベストな手帳が来年を決める/もの悲しさの種/父の健康法

第4章 大人だって傷付いている

空腹のかたち/「一生モノ」とは言うけれど/パツンパツンの喪服で/四十代にちょうどいいパンツ/ああ、年中行事/「大丈夫だよ」と言ってほしかった/ドラッグストアでの大人買い/脳のメモリとスマートフォン/手強すぎる門番/値の張る財布が買えない件/勉強しておけば良かった/生きてさえいれば/甘い憂鬱

おわりに

小学五年生のせいちゃんも拾い読みしておもしろいと言っていた。冴えない中年女のいとしさよ。