朝、最寄りの駅のホームに降りていくと、上がりの電車のホームドアのわきに立って、イヤフォンで音楽を聴きながら、手を叩き、ときに振り上げ、はげしくのっている女の人がいる。つい目を奪われてしまう。電車がきて、周りの人が乗り込んでも、やり過ごす。一体何本の電車をやり過ごすのだろうと思いながら、出社の時間が迫るので見届けることができない。朝のみんなが慌ただしい駅のホームで、そこだけ異次元になっていて、そちら側はどんな風ですか。
エフ本。
愛、信仰、人生とは…。出会いの感動を通して、あなたに語りかける。単行本未収録エッセイ多数。