まみ めも

つむじまがりといわれます

熱風大陸

「あなたのための短歌集」が父の三回忌がもうすぐという頃に届いた。「メダカを両手で掬い上げるようにして」作られた短歌たち。わが家のめだかたちを掬い上げるときの切実な気持ちを思う。透明だった二匹のしっぽちゃんは少しずつ少しずつ実体を濃くしながらジャムの空き瓶や佃煮の空き瓶の中をツイツイ泳いでいる。気持ちの準備ができたらページをめくり、百人のあなたに向けたことばたちに出会いたい。

エフ本。

熱気70℃、死の灼熱以外何もないオーストラリア砂漠。アラン・ムーアヘッドの『恐るべき空白』に魅せられたぼくたち、あやしい探険隊は、4WDを駆ってアデレードからダーウィンをめざして内陸縦断の旅に出た。見わたすかぎりの地平線、これこそ狂気的広大の極北。なんだか熱い胸さわぎがしてこないか?

なんだか熱い胸さわぎがしてこないか?と誘われてしまったけれど、恐るべき空白のあらすじが無茶苦茶で大変なドラマだった。海をみなかった人たちに思いを馳せてページを閉じた。