桜が散り始めると地に足がついた感じがして少しほっとする。この世が桃源郷になり、なにかとのトンネルが通じてしまうような短い魔法がとける。
ふみちゃんがぴかぴかの一年生になり、初日のお弁当を四時半起きでこしらえる。リクエストのお品書きを書いてもらった。
たまごやき
ききん(チキン)
おにぎりしよ(塩)にのりこんぶ
こ〜ん
みにとまと♡
てのひらに載るサイズのお弁当箱におかずを詰めて、いってらっしゃいのメモを添えて仕事に出た。ともだちしゃくにんほしいと手紙に書いていたふみちゃん、さっそくお友だちができた模様。おかあちゃんは新しい部署でくたくたの一年生。
古本いちで購入。細かいことだけれど単行本が猫「だって」夢を見るで登録されている。丸谷才一が知ったらどんな顔をするだろう。
中年男はなぜセーラー服を好むのか、宮本武蔵は大変な見栄っぱりだった、文芸春秋社長と専務の若き日のマル秘エピソードなどよりすぐりの名品36篇。
丸谷才一の文章は、とにかく読んでいて心地よい。序文にある「哀れである」なんてひと言がいちいちたまらない。