まみ めも

つむじまがりといわれます

ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。

梅雨明けの猛暑の日曜日、サッカーにいくふたりを送り出したあとで、ふくちゃんとふみちゃんとげんちゃんを三人連れて、ロイホでモーニング。目玉焼きがふたつのプレート、パンケーキのプレートをそれぞれ頼んでおそ朝。げんちゃんがお店の中で出し抜けに「ままがいちばんかわいいよ!!」と叫んで周りの視線が集まってしまっていたたまれない思いも味わう。ふくちゃんはドリンクバーでカルピスとメロンソーダとコーラを混ぜてどどめ色の汁をつくり、思いのほかまずくないのをよろこんでいるのかいないのか。ロイホっぽい皿がほしいと思いながら何年かたち、店にくるたびに食べ終えた皿をひっくり返してみるのだけれど、ロイホの皿には裏印がなくデザイン以上の情報がまったくない。そこもしびれる。

ト。

家族、仕事、お金、生と死。選ぶことから人生は始まる。写真家で猟師の著者が、34歳の時に治らないがんの告知を受けたことで起きた家族の変化、がん患者や関係者たちへの取材を通して見えてきたもの、安楽死について綴る。

幡野広志の一人称は、ぼく。がんこにぼくであり続ける人だ。