まみ めも

つむじまがりといわれます

ざんねんな食べ物事典

14年ぶりの出張で中伊豆に前泊。生ビールを二杯流し込んでたどり着いた宿はせんべい布団に鏡の曇った鏡台がおいてあるディープな雰囲気をまとった部屋で、自販機で買った氷結レモンがぬるかった。源泉かけ流しのお湯に浸かろうと風呂場にいったら、脱衣場に宿のおばちゃんの荷物がまとめてあり、ポリデントがおいてあった。ビオレとパンテーンポリデントの宿。お湯はとにかく熱くて、蛇口の水でうめて浸かった。タオルからは過剰なまでの柔軟剤のにおいがした。

朝は四時すぎに目が覚めてしまい、朝風呂をきめて早々に宿を出、駅前の足湯に足を浸しながら東京駅で買ったおしゃれなパンと甘い缶コーヒーを飲んだ。赤くなった足でぶらぶらと半時間歩いて、タクシーに乗り、研修を済ませて、帰った。

ト。

「胸元に手をかけ、はだける。こんな無体をされた実直なトウモロコシの残念感に気づいていますか。スルメもまた残念の極み。ぷっくり生きてきたイカを何もあそこまでペタンコにしなくてもー食べ物に漂う“ざんねん”を検証した表題作から誰も気づかない「ラーメン行動学」まで。爆笑必至のエッセイ集。

ラーメン行動学/歯はこう磨けば出世できる/何でも面白がってやろう/「痒い!」の研究/残念な人たち/懐かしや「死んだはずだよお富さん」/対談 東海林さだお×村瀬秀信(ライター、コラムニスト) 奥が深い!我らの“チェーン店”道/風景に油断してはいけない/ヘビは長過ぎる?/ざんねんな食べ物事典/呑み潰れツアーで呑み潰れる人々/老人とおでん/面白いぞ、業界新聞/「山田太郎」を糾弾する/月刊文藝春秋特別寄稿 僕とインスタントラーメンの六〇年

ザ・ノンフィクションに出てきたマキさんの歯磨きがすごかったことを思い出す。なんかかなわない感じのする磨き方だった。

いつものショージ節の中に「人間は澄んだ瞳で嘘をつくことができる」というドキッとする一文もあり、緩急ついててたまらない。