百日紅がまだまだ咲いている。
ふと読みはじめた「スキップとローファー」は能登の片田舎から出てきた女の子が主人公で、ときどき地元のことばと似たような方言が出てくるとうれしい。いまは相手が方言じゃなければうまく話せなくなってしまった。もう地元にいたよりも長い時間をよそで過ごしているんだったな。それでもやっぱりここはよそだと思っている。
古本いちの均一本。110円。
ファインダー
まわる季節
プラットホーム
世界の終わり
夜景
父と歩いた日
おだやかな楽園
押し入れ
レッスン
上等なカーテン
スカイマンション403
光の柱に
ジュテーム
金色の道
見なかった記憶
東京
東京の朝
エッセイなのか短編集なのかわからないままページをめくっているときの定まらない感じは悪くない。佐内正史の写真には、なんだか知っている人がうつっているような気がする。うつっているのは誰も知らない人なのに家族や知人のアルバムを眺めているみたいな知らない時間の記録なのに懐かしさがあって、角田光代もそういう時間の切り取り方をしていた。