まみ めも

つむじまがりといわれます

つまらない住宅地のすべての家

焦げめがつくまでグリルで焼いて皮を剥いだパプリカがおいしくて、こんな残酷なことしてごめんなと内心で思いながら週末になるたびに買っている。スーパーにいくと、自分は絶対にたべないげんちゃんが、パプリカをみつけて赤を買えの黄色を買えのと口出しするので素直に従う。

ト。

静かに並ぶ住宅地の家々。ある出来事をきっかけに、それぞれの家の、それぞれの事情が見えてきて…。日々いろいろな思いを抱えて暮らす人々を、たくみな構成と描写で浮き彫りにした長編小説。『小説推理』連載を単行本化。

なにも起こらないが起こる胸をあつくするストーリー。つまらない住宅地のつまらなくない展開。津村記久子かっこいい。