まみ めも

つむじまがりといわれます

再婚生活

お父さんの命日には町に繰り出して酒を飲んだ。亡くなったあとの一年は季節のめぐりがしんどくて、お父さんのいない春夏秋冬を噛みしめていたけれど、喪失感がだんだん自分の一部になっている。クマノミズキのはちみつの柿柚子はまだちょっと作れないでいる。

辛いことがあったとき.大切な人に「苦しみはどうしてるのか」と尋ねたら「できるだけ見ないようにする」「じゃあ悲しみは?」と尋ねたら2秒くらいじっとした後「しまっておく」と静かに答えてくれた。「いたずらに取り出さないということね?」ときいたら「そう」。このやりとり思い出さない夜はないね

命日があけた祝日、川上未映子のつぶやきがとても沁みた。しまっておいて、ときどき取り出す。

ト。

直木賞受賞、山手線円内にマンションを買い、再婚までした。恵まれすぎだと人はいう。人にはそう見えるんだろうな。夫婦という葛藤。涙する心と孤独の病、鬱。病んだ心が静かに恢復してゆく。著者3年の沈黙を破る告白日記。 

痛みやしんどさは誰とも分け合えないんだよな、ということは、いいことでもありよくないことでもある。