冬休みの帰省から戻ったら、学校の裏門のところ、日当たりのよい梅の木がすっかり咲いていた。遊歩道の梅の木は、何年か前に容赦なく刈り込まれてしまってから咲き始めが遅くなりまだ蕾のままでいる。最強寒波がきても、春が約束されていることはたしか。
はじめてのブックサンタのときに自分へのクリスマスプレゼントに買った安房直子コレクションを久しぶりに本棚からとり、ふるさと納税の六花亭の包み紙でブックカバーをつけて、里帰りの荷物に入れた。
さんしょっ子
きつねの窓
空色のゆりいす
鳥
夕日の国
だれも知らない時間
雪窓
てまり
赤いばらの橋
小さいやさしい右手
北風のわすれたハンカチ
エッセイ
山でまよった男が、子ぎつねのそめもの屋に入ると、なぜか子ぎつねは指をそめることをすすめます。不思議に思った男に、子ぎつねは自分のそめた指でひし形の窓をつくってみせてくれました。その窓をのぞくと、母ぎつねがじっとすわっているのが見えます。まるで一枚の絵がぴたりとはめこまれたような感じに見えるのです。『きつねの窓』など短いお話が11編はいっています。
安房直子さんのお話、すぐそばにある遠い遠いところへ連れていってくれる。