まみ めも

つむじまがりといわれます

編めば編むほどわたしはわたしになっていった

アンピルの北上で予定を一日はやめて、木曜日の夕方にむこうを出発して、日付が変わるころ家に帰った。サービスエリアで夕飯をたべたあと、しばらくいくと打ち上げ花火があがるのがみえた。せいちゃんが、俺が頼んだソースかつ丼がもっと早く届いていたらみれなかった花火だといばってみせる。花火に浮かれていたら、分岐をまちがえて遠回りをするはめになった。麻績でおりて灯や人気のない道の峠越えをしたらこどもたちがすっかりびびって、せいちゃんはソースかつ丼を頼むんじゃなかった、と頭を抱えていた。ふみちゃんはふみちゃんで、おかあちゃん、にせもののおかあちゃんじゃない?と言い出すのでわらってしまった。本物か偽物か、ときかれたら、まったく自信がない。

ト。

ずっと息苦しさを感じていた少女は、いかにして編みものの世界に自分の居場所を見つけたのか? 読む人それぞれの「あの頃」がよみがえる、極上のエッセイ集。書き下ろし全29編を収録。

メールでお友だちに送っていたエピソードをまとめた本とのこと。不器用だけれど、すきを持ち続けているから強いのだと思う。