夏休みが終わり、いっきょに現実に引き戻される。仕事と三食ごはんごはんごはんの準備。あとには日焼けした肌(せいちゃん以外)と妙ななまりのついたげんちゃんが残った。げんちゃんは今もまだママの発音がマ・マーになっている。地元にはそんななまりはない。受験生のせいちゃんは、帰省のあいだおもやにお邪魔して、仏間で勉強させてもらっていた。のぞきにいくと、父とおばと祖父母(わたしの)の遺影に見守られて机に向かっていた。机の上には梨とせんべいとマンガ本(らんま1/2とルパン三世)が積み上がっていた。遺影って、変換するときついついyeahと思ってしまって不謹慎すぎるけど、自分のときはyeah yeahな遺影にしたい。
卜。
夫を亡くしたあと癌で逝った実母と、高齢の夫と暮らす認知症急速進行中の義母。「ふたりの母」の生きざまを通して、ままならない家族関係を活写するエッセイ。『よみタイ』連載を加筆し単行本化。
うちの家族もなかなかにままならないけれど、まあ、それでいいんだろうな。
