まみ めも

つむじまがりといわれます

さらば、わが愛 覇王別姫

さらば、わが愛 覇王別姫 [DVD]
ひとりめが5/3にうまれたときに53は素数だなあと心ひそかによろこんでおり、なんとなくふたりめは4/7に出てくるのではないかと期待していた。金曜日に健診にいったところがお医者がもういつ出てもおかしくないと言ったので勝手に気分は盛り上がっていたのだったが、そんなに思いどおりにゆくものではないらしく気配のないまま週末が過ぎた。つぎの素数は419で予定日をすぎるので素数産みの野望は叶わなそうだ。われながらオタクな発想だとおもう。いつ出てもおかしくないが、とりあえずまだ出なそうなのでつたやで映画を三本借りてみた。

中国激動の時代に生きた、京劇俳優の程蝶衣と段小樓。女形の蝶衣は段小樓を愛していたが、彼は娼婦と結婚してしまう…。戦争が、京劇という芸術の世界も侵しつつあった時代を背景に描かれる、ふたりの男たちの愛憎のドラマ。

さらば、わが愛はこないだ借りたうちの最後。三時間ちかくある以外はなにも知らずに再生したがカッコーに引き続きずっしり臓腑にこたえる内容で、打ちひしがれてしまった。前半の幼少時代のシーンに事あるごとに「運命」という単語がやたらでてくるのだが、運命から逃げるな、とか、運命に責任をもて、とか、いうのを、そもそも運命というのが逃れられないものであり責任というものの範疇とは相入れないものだろうと違和感をいだいていたが、あとからかんがえるとその言葉が象徴していたのはかれらの人生にあとあと押しつけられる運命のあんまりな理不尽さだった。蝶衣を演じたレスリー・チャンの演技が色気満載、ぞくぞくイボイボもので、おそろしく繊細でうつくしかった。